RTA(リアルタイムアタック)とは、ゲームのスタートからクリアまでの実時間を競う遊び方です。
近年ではRTA in Japanなどのイベントが大きな盛り上がりを見せ、新たに挑戦したいと考える人が急増しています。
本記事では、2026年最新の情報をもとにRTAの始め方をゼロから丁寧に解説していきます。
- RTAの基本ルールは実時間でクリア速度を競う遊び方
- RTA開始に必要な機材はゲームとタイマーの2つだけ
- LiveSplitの導入手順は公式サイトから無料で完了できる
- 記録の登録先はSpeedrun.comが世界標準である
RTAとは?基本知識を押さえよう
RTAに挑戦する前に、まずはその基本的な仕組みや用語を理解しておくことが重要です。
ここではRTAの定義から主要なカテゴリまで、初心者が最低限知っておくべき基礎知識を整理します。
RTAの意味と歴史
RTAとは「Real Time Attack(リアルタイムアタック)」の頭文字を取った略称で、ゲームを最初からプレイし、実時間でどれだけ早くクリアできるかを競う遊び方を指します。
この用語は2000年にゲームやりこみサークル極限攻略研究会によって生み出された日本独自の造語であり、海外では同じ遊び方をSpeedrun(スピードラン)と呼んでいます。
当初はインターネット上にタイムとプレイレポートを公開する形式が主流でしたが、動画投稿サイトの発展に伴い、現在ではTwitchやYouTubeで多くのRTA配信を視聴できるようになりました。
RTAとTA(タイムアタック)の違い
RTAとTA(タイムアタック)はどちらもゲームの速度を競う遊び方ですが、計測方法に明確な違いがあります。
両者の違いを以下の表で確認しましょう。
| 項目 | RTA(リアルタイムアタック) | TA(タイムアタック) |
|---|---|---|
| 計測時間 | 実時間(リアルタイム) | ゲーム内時間(IGT) |
| ロード時間 | 原則含まれる | 含まれない |
| 一時停止 | 原則認められない | ゲーム内の仕様に準じる |
| リセット時 | 経過時間が加算される | ゲーム内時間は巻き戻る |
| 海外での呼称 | Speedrun | Time Attack |
このように、RTAはリセットやロードの時間もすべて計測対象に含まれるため、TAと比較して戦略性がより高くなります。
休憩中の時間さえも原則として加算される仕組みのため、プレイ全体を通じた集中力と計画性が求められるのが特徴です。
RTAの主要カテゴリ
RTAにはゲームごとに複数のカテゴリが設定されており、同じタイトルでも異なるルールで記録を競えます。
代表的なカテゴリを把握しておくと、自分に合った挑戦を見つけやすくなるでしょう。
| カテゴリ名 | 内容 |
|---|---|
| Any% | 手段を問わず最速クリアを目指す。最も人気が高い |
| 100% | アイテムやイベントを全回収してクリアする |
| Low% | 最小限のアイテム・条件でクリアを目指す |
| Glitchless | バグ技を使用せずにクリアする |
上記のほかにも、ゲームごとに独自のカテゴリが存在する場合があります。
たとえばRPGでは全ボス撃破、アクションゲームではノーダメージクリアなどが設けられており、プレイヤーの好みや実力に応じた楽しみ方が可能です。
バグ技の使用可否もカテゴリ分けの重要な基準となっており、同じゲームでもまったく異なる攻略アプローチが求められることがあります。
RTAについてはこちらの記事でも解説しています。
RTAを始めるために必要な準備

RTAの基本を理解したところで、次は実際に始めるための準備に入りましょう。
特別な機材がなくても、手持ちのゲームとスマートフォンだけで始められるのがRTAの魅力の一つです。
ゲームの選び方
RTAで最も大切なのは好きなゲームを選ぶことです。
記録更新には何十回、何百回と繰り返しプレイする必要があるため、愛着のないゲームではモチベーションが続きません。
ゲーム選びの際は以下のポイントを参考にしてください。
- 好きなゲームを最優先にする
繰り返しプレイに耐えられるかが最重要 - クリア時間が短めのタイトルから始める
30分〜1時間程度で完走できるカテゴリが理想的 - 走者(プレイヤー)が多いゲームを選ぶ
情報や解説動画が豊富で学びやすい - 解説動画があるかを確認する
YouTubeやニコニコ動画で「ゲーム名 RTA 解説」と検索
初心者に特に人気があるタイトルとしては、スーパーマリオブラザーズ(Any%は約5分で完走可能)やスーパーマリオ64(16枚RTAは20〜40分程度)などが挙げられます。
これらはプレイ環境を整えやすく、先駆者も多いことから、最初の一歩として最適でしょう。
必要な機材・環境
RTAを始めるのに大がかりな機材は不要です。
最低限必要なものと、あると便利なものを以下にまとめました。
| 分類 | 機材 | 必須/任意 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 基本 | ゲーム本体とソフト | 必須 | Switch、PC、レトロハードなど |
| 基本 | タイマー | 必須 | スマホのストップウォッチでもOK |
| 録画 | スマートフォン | 任意 | 直撮りでも記録申請可能な場合あり |
| 録画 | キャプチャーボード | 任意 | 配信や高画質録画をする場合 |
| 計測 | PC(LiveSplit用) | 推奨 | 区間タイム管理に便利 |
| 配信 | OBS Studio | 任意 | 配信をする場合に使用 |
最初はスマートフォンのカメラで画面を直撮りするだけでも十分始められます。
実際にスマホの直撮りでRTAに取り組んでいる走者は多く、キャプチャーボードなどの機材を最初から揃える必要は一切ありません。
まずは気軽に始めてみて、続けたいと思ったタイミングで機材を充実させていくのがおすすめです。
タイマーツール「LiveSplit」の導入方法

LiveSplitは多くのRTA走者が使用している無料のタイマーツールで、区間タイムの記録や自己ベストとの比較をリアルタイムに表示できるのが特徴です。
Windows環境があれば以下の手順で簡単に導入できます。
- 公式サイト(livesplit.org)にアクセスし、「Downloads」から最新版のZIPファイルをダウンロード
- ZIPファイルを任意の場所に解凍し、フォルダ内の「LiveSplit.exe」をダブルクリックして起動
- 起動後、右クリック→「Settings」でホットキー(タイマー操作用のキー)を設定
- 右クリック→「Edit Splits」でゲーム名と区間(スプリット)を設定
- 設定したホットキーを押してタイマーをスタート。区間を通過するたびに同じキーでラップを記録
Windows以外のOSを使っている場合は、ブラウザ版の「LiveSplit One」も利用可能です。
初期設定ではテンキーの「1」でタイマーの操作ができるように設定されているため、テンキー付きのキーボードがあるとスムーズに使い始められるでしょう。
RTA実践の流れ|5つのステップ

準備が整ったら、いよいよ実際にRTAに挑戦してみましょう。
ここでは初心者がスムーズに走り出すための5つのステップを順番に紹介します。
焦らず自分のペースで取り組むことが長続きの秘訣です。
ステップ①まず普通にゲームをプレイする
RTAを始める前に、まずは選んだゲームを一度最初から最後まで普通にクリアしてみましょう。
ゲームの全体像やステージ構成、操作感を把握しておくと、RTAのルートを理解する際にスムーズに進められます。
過去にプレイ経験があるゲームでも、改めてデータを消して一からプレイし直すと、意外と忘れていた仕様やステージを再発見できることがあります。
この工程でこのゲームは乱数が厳しすぎて自分には合わないといった判断もできるため、RTA候補は2〜3本用意しておくのがおすすめです。
ステップ②チャートとルートを学ぶ
チャートとは、RTAにおける最適な攻略ルートをまとめたものです。
Speedrun.comの各ゲームページにある「Guides」や「Resources」タブ、またはDiscordコミュニティ内に攻略情報がまとめられていることが多いでしょう。
日本語の情報を探す場合は、YouTubeやニコニコ動画で「ゲーム名+RTA+解説」と検索するのが効果的です。
世界記録の動画を何度も視聴して動きを覚えるのも有効な学習方法で、上位走者の配信を見ながらルートのポイントをメモしていくと理解が深まります。
ステップ③区間ごとに練習する
ルート全体を一気に覚えようとすると挫折しやすいため、ゲームをいくつかの区間に分けて練習するのが効率的です。
特に難しいテクニックやバグ技が含まれる区間は、集中的に反復練習することで成功率が上がっていきます。
LiveSplitの区間タイム機能を活用すれば、どの区間でタイムを落としているかが一目でわかるため、弱点の把握と改善がしやすくなるはずです。
完璧を求めず「通せること」を最初の目標にしましょう。
ステップ④通しプレイで記録を取る
区間練習がある程度できたら、ゲームの最初から最後まで通してプレイしてみます。
この段階ではタイムを気にしすぎず、まずは完走することを目標にしてください。
最初の通しプレイは緊張や焦りからミスが増えがちですが、それも含めてRTAの醍醐味の一つです。
完走できたらタイムを記録し、それが自分の最初の自己ベストになります。
2回目、3回目と回を重ねるごとにタイムは自然と縮まっていくので、自己ベスト更新の喜びがモチベーションにつながるでしょう。
ステップ⑤記録をSpeedrun.comに登録する
自信のある記録が出たら、世界最大のRTA記録サイト「Speedrun.com」に登録してみましょう。
登録にはアカウント作成(メールアドレスとユーザー名が必要)と、記録動画の添付が求められます。
動画はスマートフォンでの直撮りでも受理されるゲームがありますが、ゲームのモデレーターによって判断が異なる場合もあるため、事前にルールページを確認しておくと安心です。
記録が承認されるとランキングに自分の名前が載り、世界中の走者と順位を競えるようになります。
RTAコミュニティに参加しよう
RTAは一人でも楽しめますが、コミュニティに参加することで情報収集や上達のスピードが大きく変わります。
ここではRTAコミュニティへの関わり方を紹介していきましょう。
Speedrun.comの活用法
Speedrun.comは2014年に設立された世界最大規模のRTA記録集積サイトで、日本人を含む多くの走者が利用しています。
サイトは英語が基本ですが、右上の国旗アイコンから日本語表示への切り替えが可能です。
- ゲームごとのランキング閲覧
- 記録動画の視聴
- 攻略情報の確認
など、RTA活動に必要な機能がひとまとまりになっています。
アカウントを作成すればプロフィールにSNSアカウントやプレイ中のゲームを記載でき、同じゲームを走る走者との出会いにもつながるでしょう。
RTA in Japanなどのイベントに注目
日本国内で最大規模のRTAイベントが「RTA in Japan」です。
一般社団法人として運営されており、夏に「RTA in Japan Summer」、冬に「RTA in Japan Winter」の年2回が開催されています。
2025年冬は12月25日〜31日に開催され、その収益は全額国境なき医師団に寄付されるチャリティイベントとなっています。
| イベント名 | 開催時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| RTA in Japan Summer | 毎年8月 | 2025年は8/9〜8/15に開催 |
| RTA in Japan Winter | 毎年12月末 | 年末恒例のチャリティイベント |
| Games Done Quick(GDQ) | 年2回(米国) | 世界最大級のRTAチャリティイベント |
| RTAちゃんの夏休み | 不定期 | RTA in JapanのTwitchチャンネル貸出イベント |
現地参加だけでなくTwitchやYouTubeで配信を視聴することもでき、アーカイブも公開されるため見逃しても安心です。
イベントを観ることでRTAへの理解が深まり、新たなゲームとの出会いにもなります。
参考:RTA in Japan 公式サイト|一般社団法人RTA in Japan
SNS・Discordでの交流
RTAコミュニティでは、X(旧Twitter)とDiscordが主要な交流手段として使われています。
日本のRTA走者はXでの情報発信が活発で、「ゲーム名+RTA」で検索すると多くの走者が見つかるでしょう。
プロフィールにプレイ中のゲーム名や配信先を書いておくと、同じゲームを走る仲間から認知されやすくなります。
海外のコミュニティではDiscordが中心で、Speedrun.comのゲームページからコミュニティのDiscordサーバーに参加できることも多いです。
走者の配信に足を運んでチャットで交流するのも、仲間を増やす効果的な方法といえるでしょう。
よくある質問(FAQ)
ここでは、RTAの始め方についてよくある質問とその回答をまとめました。
ぜひ参考にしてください。
Q1. ゲームが上手くないとRTAはできませんか?
ゲームの上手さは必須条件ではありません。
RTAは練習を重ねてタイムを縮めていく過程そのものを楽しむ遊び方です。
最初からトップレベルの記録を出す必要はなく、自分の自己ベストを少しずつ更新していくことに達成感があります。
ゲーム初心者からRTAを始めて短期間で上位記録を取る走者も実際に存在しています。
Q2. キャプチャーボードがないと始められませんか?
キャプチャーボードは必須ではありません。
スマートフォンのカメラで画面を直撮りした動画でも、記録申請が受理されるゲームは数多くあります。
ただし、直撮りの可否はゲームのモデレーターの判断によって異なるため、Speedrun.comのルールページで事前に確認するのがおすすめです。
本格的に配信や高画質録画をしたくなった段階で購入を検討すれば十分でしょう。
Q3. RTAにお金はどのくらいかかりますか?
ゲーム本体と対応ハードがあれば追加費用はほとんどかかりません。
LiveSplitは無料で利用でき、配信ソフトのOBS Studioも無料です。
Speedrun.comの利用や記録登録にも費用は発生しないため、すでにゲームとプレイ環境を持っていれば実質0円でRTAを始められます。
Q4. 一人で黙々とやるのは寂しくないですか?
RTAコミュニティは想像以上に活発で温かい場所です。
XやDiscordで同じゲームの走者とつながれば、攻略情報の共有やタイム報告でお互いに刺激し合えます。
RTA in Japanなどのイベント視聴をきっかけにコミュニティに参加する人も多く、一人で始めても自然と仲間が増えていくケースがほとんどです。
まとめ
RTAは好きなゲームとタイマーさえあれば今日からでも始められる、非常に間口の広い遊び方です。
高価な機材や特別なスキルは必要なく、自分のペースで自己ベストを更新していく楽しさがRTA最大の魅力といえるでしょう。
まずは気になるゲームのRTA動画を観るところから始めて、興味が湧いたら実際にタイマーを回してみてください。
