RTA(リアルタイムアタック)は、ゲームクリアまでの実時間を競うプレイスタイルとして世界的に注目を集めています。

国内最大のイベント「RTA in Japan」は同時視聴者数18万人超を記録し、もはやeスポーツに匹敵するコンテンツへと成長しました。

本記事では2026年2月時点の最新データをもとに、RTAで特に人気の高いタイトルTOP10を紹介します。

▶︎RTAの全容についてはこちら

この記事でわかること
  • RTAの基礎知識と人気の背景は市場拡大にある
  • 世界で最もプレイされるRTAタイトルはマリオ系である
  • 国内外の主要RTAイベントは年間数十億円規模で成長中
  • 初心者でも始めやすいRTAタイトルはCelesteやPortalである

目次

RTAとは?スピードランが世界中で人気を集める理由

RTAとは?スピードランが世界中で人気を集める理由

RTAの基本的な仕組みや人気が急拡大している背景について解説します。

ゲーム業界全体の動向を踏まえながら、なぜ今RTAが注目されているのかを明らかにしていきましょう。

RTAの定義とルールの基本

RTAとは「Real Time Attack(リアルタイムアタック)」の略称で、ゲームスタートからクリアまでの実時間(リアルタイム)を計測し、いかに短い時間で完走できるかを競う遊び方です。

海外ではSpeedrun(スピードラン)という呼称が一般的で、世界中のプレイヤーが日々記録更新に挑戦しています。

RTAにはいくつかの主要カテゴリーが存在し、それぞれ異なるルールのもとで競われる点が特徴的です。

カテゴリー名ルール概要
Any%達成度を問わず、最速クリアを目指す
100%全要素を回収したうえでクリアする
Glitchlessバグや裏技を一切使用しない
Low%最小限のアイテムのみでクリアする

上記のように多様なカテゴリーが用意されているため、同じゲームでも遊び方が大きく変わっています。

この多様性がRTAコミュニティの奥深さを生み出しているといえるでしょう。

参考:RTAのガイド|speedrun.com

RTA人気が急拡大している3つの背景

RTAの人気拡大は偶然ではなく、複数の要因が重なった結果として生まれたものです。

第一に、TwitchやYouTubeといった配信プラットフォームの普及により、走者のプレイをリアルタイムで視聴できる環境が整ったことが挙げられます。

第二に、大規模チャリティイベントの成功があります。

海外のGames Done Quick(GDQ)はこれまでに累計5,500万ドル以上の寄付金を集めており、RTA文化の社会的認知度を飛躍的に高めました。

そして第三に、レトロゲームから最新タイトルまでジャンルを問わない幅広さが、新規参入のハードルを下げています。

こうした要素が複合的に作用し、RTAは単なるニッチな遊び方から、世界的なゲームカルチャーの一角へと進化を遂げました。

参考:Games Done Quick: Demand for Speedrunning on Live Streaming|Stream Hatchet

RTA人気タイトルTOP10ランキング【2026年2月最新】

speedrun.comの累計走者数・アクティブプレイヤー数、GDQやRTA in Japanでの視聴者数などを総合的に評価し、2026年2月時点でのRTA人気タイトルTOP10を選定しました。

ランキングの根拠となるデータは下記の通りです。

順位タイトル累計走者数(概算)主な走行カテゴリー対応プラットフォーム
1位Super Mario 6449,000人以上120 Star / 70 Star / 16 Star / 0 StarN64 / PC(エミュ)
2位Celeste46,000人以上Any% / All Chapters / True EndingPC / Switch / PS4
3位Minecraft: Java Edition35,000人以上Any% Glitchless(RSG)PC
4位Super Mario Odyssey18,000人以上Any% / World Peace / 100%Switch
5位The Legend of Zelda: Ocarina of Time15,000人以上Any% / All Dungeons / 100%N64 / GC / 3DS
6位Super Metroid12,000人以上Any% / 100% / Low%SNES / Switch
7位Elden Ring10,000人以上Any% / Glitchless / All RemembrancesPC / PS5 / Xbox
8位Portal9,000人以上Inbounds / Out of BoundsPC
9位ULTRAKILL8,000人以上Any% / P Rank AllPC
10位Cuphead7,000人以上Any% / All Bosses / DLCPC / Switch / PS4

上記のランキングは、speedrun.comの公開データおよびギネス世界記録の認定情報をもとに作成しています。

以下では、各タイトルの魅力と注目ポイントを詳しく見ていきましょう。

参考:Most speedrun videogame|Guinness World Records

第1位:Super Mario 64──RTAの原点にして頂点

Super Mario 64
画像引用:Nintendo

Super Mario 64は、2025年6月時点でspeedrun.comにおける累計走者数49,000人以上を記録し、ギネス世界記録にも「最もスピードランされたビデオゲーム」として認定された不動の王者です。

1996年の発売から約30年が経過した現在も、120 Starカテゴリーでは世界中のトップ走者が数秒単位の記録更新を争い続けています。

BLJに代表されるバグ技を駆使した0 Starカテゴリーでは、本来のゲーム設計を完全に覆すプレイングが展開され、視聴者を魅了してやみません。

参考:Most speedrun videogame – Super Mario 64|Guinness World Records

第2位:Celeste──精密操作が光るインディーの星

Celeste
画像引用:Celeste

Celesteは2018年の発売以降、累計走者数46,000人以上を誇るインディーゲームの代表格です。

高難度プラットフォーマーでありながらチェックポイントが細かく設定されているため、練習と本番の両方で快適にプレイできる設計が特徴的といえます。

Hyper DashやWallbounceといった独自の移動テクニックを組み合わせることで、通常プレイとはまったく異なるスピード感を体感できるのも大きな魅力です。

2026年現在もspeedrun.comのアクティブプレイヤー数は483人*と極めて高い水準を維持しています。

参考:Celeste Leaderboard|speedrun.com
※ 2026年2月執筆時点

第3位:Minecraft: Java Edition──ランダム生成が生む唯一無二の緊張感

Minecraft: Java Edition
画像引用:Minecraft

MinecraftのRTAは、ワールドがランダム生成されるという他のタイトルにはない特殊な要素を持っています。

RSG(Random Seed Glitchless)カテゴリーが主流で、毎回異なる地形やバイオーム配置のなかでエンダードラゴン討伐を目指します

運と実力の双方が求められるため、同じ走者でもタイムが大きくブレることが日常的に起こります。

その不確実性こそがMinecraft RTAの最大のドラマであり、配信映えする要素でもあるでしょう。

アクティブプレイヤー数は792人*と全タイトル中第2位の規模を誇っています。

参考:Minecraft: Java Edition Leaderboard|speedrun.com
※ 2026年2月執筆時点

第4位:Super Mario Odyssey──Switch世代のRTA定番タイトル

Super Mario Odyssey
画像引用:My Nitendo Store

Super Mario Odysseyは、Nintendo Switchのローンチタイトルとして2017年に発売されて以来、累計18,000人以上の走者を集めました。

オープンワールド型3Dマリオの自由度の高さがRTAとの相性を最大限に引き出しており、キャプチャー能力を活用した想定外のルート開拓が次々と発見されています。

Any%カテゴリーでは約57分台の記録が競われるなど、発売から8年以上経過しても記録更新の勢いが衰えることはありません。

参考:Super Mario Odyssey Leaderboard|speedrun.com

第5位:ゼルダの伝説 時のオカリナ──バグ技の百科事典

ゼルダの伝説 時のオカリナ
画像引用:Nitendo

ゼルダの伝説 時のオカリナは、RTAの歴史を語るうえで欠かすことのできない存在です。

Any%カテゴリーではACEを含む高度なバグ技により、わずか数分でエンディングに到達する驚異的な走法が確立されています。

一方でGlitchlessカテゴリーも根強い人気があり、正攻法で各ダンジョンを攻略するプレイングにも独自のファンが存在します。

参考:The Legend of Zelda: Ocarina of Time Leaderboard|speedrun.com

第6位:スーパーメトロイド──GDQの大トリを飾る伝統の一作

スーパーメトロイド
画像引用:Nintendo

スーパーメトロイドは、Games Done Quick(GDQ)のフィナーレを飾る恒例タイトルとして知られています。

SGDQ 2024では4人同時レースが開催され、ピーク視聴者数88,500人*を記録するほどの盛り上がりを見せました。

SNES時代のゲームでありながら、壁ジャンプやダメージブースト、シーケンスブレイクなど多彩なテクニックが存在し、走者ごとにルートが異なる点も見どころの一つです。

*参考:Summer Games Done Quick 2024 viewership statistics|Streams Charts

第7位:Elden Ring──新時代を切り拓くソウルライクRTA

Elden Ring
画像引用:PlayStation

Elden Ringは2022年の発売後、RTAシーンに大きな衝撃を与えたタイトルです。

AGDQ 2025ではサックスコントローラーでボスを撃破する「Dr. Doot」の走りが話題を呼ぶなど、エンターテインメント性の高さでも群を抜いています。

Glitchlessカテゴリーではオープンワールドの自由度を活かしたルート選択が重要となり、戦略的な判断力が問われます。

DLC「Shadow of the Erdtree」の追加によりカテゴリーの幅がさらに広がったことも人気を後押ししています。

第8位:Portal──パズルゲームRTAの金字塔

Portal
画像引用:Nintendo

Portalは、ポータルガンを使った空間移動パズルという独自のゲームデザインがRTAと絶妙にマッチした作品です。

Inboundsカテゴリーでは各テストチェンバーの正規解法を極限まで最適化する楽しさがあり、Out of Boundsカテゴリーでは壁抜けを駆使して大幅にタイムを短縮できます。

シンプルなルールゆえに初心者でも挑戦しやすく、RTAの入門タイトルとして広く推奨されているのが特徴です。

参考:Portal Leaderboard|speedrun.com

第9位:ULTRAKILL──爆速FPSが生んだ新世代の人気作

ULTRAKILL
画像引用:Steam

ULTRAKILLは2020年のアーリーアクセス開始以降、急速にRTAコミュニティを拡大させたFPSです。

2026年2月時点のアクティブプレイヤー数は508人*に達し、Celesteに次ぐ第3位の規模を誇っています。

ゲームスピードの速さと爽快感が走りの魅力を大幅に引き上げており、P Rank Allカテゴリーではスタイリッシュな戦闘をハイスコアで維持しながら最速クリアを目指すという独自の挑戦が楽しめます。

参考:ULTRAKILL Leaderboard|speedrun.com
※ 2026年2月執筆時点

第10位:Cuphead──高難度アクションの極致

Cuphead
画像引用:PlayStation

Cupheadは、1930年代のカートゥーンアニメーションを再現した独特のアートスタイルと歯ごたえのあるボス戦が魅力のアクションゲームです。

All Bossesカテゴリーではすべてのボスを最短時間で撃破する腕前が求められ、パターン暗記と即応力の両立が勝負の鍵を握ります。

DLCの追加によりボス数が増加し、走行時間が長くなったことで戦略の幅も広がりました。

視覚的な華やかさから配信映えするタイトルとしても高く評価されています。

参考:Cuphead Leaderboard|speedrun.com

国内外の主要RTAイベントと視聴者データ

国内外の主要RTAイベントと視聴者データ

RTAの人気を語るうえで欠かせないのが、世界各地で開催されている大規模イベントの存在です。

ここでは国内外の主要イベント3つを取り上げ、それぞれの特徴と規模を比較していきましょう。

RTA in Japan|国内最大のRTAチャリティイベント

RTA in Japanは、年2回(夏・冬)開催される日本最大級のRTAイベントです。

収益はすべて「国境なき医師団」に寄付されるチャリティ形式で運営されており、毎回の寄付額は数百万円から1,000万円を超える規模に成長しています。

Esports Chartsのデータによると、シリーズ通算のピーク視聴者数は182,711人を記録しており、RTA in Japan Summer 2025ではピーク視聴者数68,450人、平均視聴者数40,860人、総視聴時間は613万9,100時間に達しました。

2025年冬大会では「星のカービィ Wii デラックス」で開幕し、「スーパーメトロイド」ボス逆順討伐RTAが大トリを飾るなど、話題性のあるタイトル選定も人気の要因となっています。

参考:RTA in Japan Summer 2025 視聴率統計|Esports Charts

Games Done Quick(GDQ)|世界最大のスピードランマラソン

Games Done Quickは、年2回(1月のAGDQ・7月のSGDQ)開催される世界最大のスピードランチャリティイベントです。

AGDQ 2020では最高同時視聴者数263,000人を記録し、シリーズ累計で5,500万ドル以上の寄付金を集めてきました。

SGDQ 2025では1週間のマラソン配信を通じて約243万ドルを「国境なき医師団」に寄付しており、社会貢献とエンターテインメントを両立するモデルケースとして高い評価を受けています。

イベント名開催時期寄付先累計寄付額
AGDQ毎年1月Prevent Cancer Foundation累計5,500万ドル以上(GDQ全体)
SGDQ毎年7月国境なき医師団2025年は約243万ドル
RTA in Japan夏・冬国境なき医師団毎回数百万〜1,000万円以上

上記の表からわかるように、RTAイベントはゲーム文化の発展と社会貢献を同時に実現する稀有な存在となりました。

speedrun.com|グローバルRTAコミュニティの中心地

speedrun.comは、世界中のRTA記録を集約するコミュニティ主導型のサイトです。

ゲームごとにカテゴリー別ランキングが公開されており、走者は自身の記録を投稿・検証してもらうことで公式記録として認定される仕組みとなっています。

2026年2月現在、アクティブプレイヤー数のトップはGranny: Legacy(1,431人)で、Minecraft: Java Edition(792人)、ULTRAKILL(508人)、Celeste(483人)と続きます。

こうしたデータを日常的にチェックすることで、RTA業界のトレンドを把握できるでしょう。

参考:Games – Most active players|speedrun.com

RTA初心者におすすめのタイトルと始め方

RTAに興味を持った読者に向けて、初心者でも挑戦しやすいタイトルの選び方と具体的な始め方を紹介します。

最初の一歩を踏み出すための実践的な情報をまとめました。

初心者が選ぶべきタイトルの3つの条件

RTAを始めるにあたって、タイトル選びは最も重要なステップの一つです。

以下の3条件を満たすゲームであれば、初心者でもスムーズにRTAの世界へ入ることができるでしょう。

タイトルを選ぶ際の3条件
  1. 1回の走行時間が短いこと
  2. コミュニティが活発であること
  3. 操作難度が段階的であること

1つ目は1回の走行時間が短いことで、30分以内にクリアできるタイトルが理想的です。

2つ目はコミュニティが活発であることで、ルート情報やチュートリアル動画が充実しているかどうかを確認してください。

3つ目は操作難度が段階的であることで、基本テクニックだけでもそれなりのタイムが出せるゲームが望ましいといえます。

PortalやCelesteは上記3条件をすべて満たすため、初心者にも強くおすすめです。

RTAを始めるための具体的な5ステップ

RTAを実際に始めるための手順は、意外なほどシンプルです。

まずspeedrun.comで挑戦したいゲームのページを確認し、カテゴリーとルールを把握します。

次に上位走者の記録動画を視聴し、基本的なルートを学びましょう。

3番目のステップとして、LiveSplitなどのタイマーツールを導入し、区間タイムを計測しながら練習を始めます。

4番目に、自分のベストタイムを記録し、speedrun.comに投稿して認定を受けてください。

最後に、DiscordやTwitchを通じてコミュニティに参加し、情報交換やモチベーション維持につなげていきましょう。

こうした流れを繰り返すことで、自然とタイムが縮まり、RTAの奥深さに引き込まれていくはずです。

よくある質問(FAQ)

ここでは、RTAについてよくある質問とその回答をまとめました。

ぜひ参考にしてください。

Q1. RTAとTASの違いは何ですか?

RTAは人間がリアルタイムで操作してクリアタイムを競うのに対し、TASはエミュレータのスローモーション機能やフレーム単位の入力制御を使って理論上の最速タイムを追求するものです。

RTAは人間の技術を、TASは理論上の最適解を競う点で本質的に異なっています。

Q2. RTA in Japanはどこで視聴できますか?

RTA in Japanの生配信はTwitchとYouTubeの公式チャンネルで無料視聴が可能です。

イベント終了後にはゲームごとのアーカイブ動画も公開されるため、リアルタイムで見逃しても問題ありません。

Q3. RTAで使われるタイマーツールは何ですか?

最も広く使われているのは「LiveSplit」というPC用の無料タイマーソフトです。

区間ごとのタイム比較機能や、自己ベストとの差分表示機能を搭載しており、事実上のRTA標準ツールとして定着しています。

Q4. RTAは古いゲームでしかできないのですか?

そのようなことはまったくありません。

Elden RingやULTRAKILLといった近年の人気タイトルにも活発なRTAコミュニティが存在します。

speedrun.comの「Popular new games」セクションでは、発売直後のゲームにも走者が集まっている様子を確認できるでしょう。

まとめ

RTAの人気タイトルTOP10を紹介してきましたが、Super Mario 64やCelesteといった定番から、Elden RingやULTRAKILLのような新世代タイトルまで、その裾野は年々広がり続けています。

RTA in JapanやGDQの成功が示すように、スピードランは今やゲームカルチャーの重要な柱です。

この記事を参考に、まずは気になるタイトルの走りを視聴するところから始めてみてください。